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不動産相続の問題点とは?「負動産」が子供の負担になる理由と解決策

「実家を相続したけれど、どうすればいいか分からない」「将来、自分の家が子供の負担にならないか心配」――。不動産相続は多くの家庭で起こりうる身近な問題です。特に価値が低い、あるいは管理の手間がかかる「負動産(ふどうさん)」を相続してしまうと、子供たちに経済的・精神的な大きな負担をかけることになります。

佐賀で不動産問題の解決をサポートしてきた株式会社MREでは、不動産相続に関する多くのご相談をいただいています。この記事では、不動産相続がなぜ問題になるのか、そして負動産が子供の負担になる理由と、生前にできる具体的な解決策について解説します。現在問題を抱えている方も、これから相続が必要になる方も、ぜひこの記事を参考に第一歩を踏み出してください。

不動産相続で起こりうる主な問題点

不動産相続は、現金や預貯金とは異なる特有の課題を抱えています。事前に対策を講じないと、相続後に家族間でトラブルが発生したり、想定外の費用負担が生じたりするケースが少なくありません。主な問題点として、次の4つが挙げられます。

 

遺産分割の難航

不動産は現金のように均等に分割できないため、誰がどのように相続するかで揉める原因となります。

  • 不公平感の発生:実家を相続する人と相続しない人の間で不満が生まれやすい
  • 「争続」への発展:兄弟姉妹間での相続争いに発展するケースが多い
  • 解決の難航:不動産以外に分配できる財産が少ない場合、調整が困難になる

特に、相続人が複数いる場合や、不動産の評価額が大きい場合には、感情的な対立を招きやすく、家族関係に深刻な影響を与えることもあります。

 

「負動産」の発生

価値が低い、買い手がつかない、管理コストがかかる物件――これが「負動産」です。次のような物件が該当します。

  • 築年数が古く、耐震性や設備に問題がある建物
  • 立地が悪く、需要が見込めない土地
  • 管理されていない空き家
  • 市場価値が固定資産税評価額を下回る物件

相続した時点では価値があると思っていても、実際には売却が困難で、固定資産税や維持費だけが発生し続けるという状況に陥ることがあります。

 

継続的な維持管理コスト

不動産を所有している限り、以下のような費用が毎年発生します。

  • 固定資産税・都市計画税:住んでいなくても支払い義務がある
  • 修繕費・メンテナンス費用:建物の老朽化に伴い増加する傾向
  • 管理費用:草刈り、清掃、台風対策などの実費
  • 火災保険料:建物保護のために必要な保険

これらは物件から収益が上がっていなくても継続的に発生し、物理的な管理の手間とコストも無視できません。

 

法律・税務の複雑さ

不動産相続には専門的な知識が必要な手続きが多数あります。

  • 相続税の計算と申告(相続開始から10ヶ月以内)
  • 小規模宅地等の特例などの税制優遇措置の適用判断
  • 相続登記(名義変更)の手続き
  • 遺産分割協議書の作成

自己判断で進めると、税金の控除や特例を受けられないまま相続税を支払うことになったり、登記を放置してトラブルの元になったりするリスクがあります。

✓ ポイント:不動産相続は、分割の難しさ、維持コスト、法的手続きの複雑さという三重の負担を伴います。これらを理解した上で、早期から対策を講じることが重要です。

 

「負動産」が子供の負担になる理由

親世代が大切にしてきた不動産が、なぜ子供世代にとって「負担」になってしまうのでしょうか。その理由は、経済的・精神的・物理的な側面から説明できます。

経済的負担の実態

負動産がもたらす最も直接的な負担は、継続的な金銭的支出です。

費用項目 内容 年間コスト目安
固定資産税 住んでいなくても支払い義務あり 数万円~数十万円
都市計画税 都市計画区域内の物件に課税 数万円
維持費・管理費 草刈り、清掃、修繕費、管理委託費用 数万円~数十万円
火災保険料 建物保護のための保険 数千円~数万円

これらの費用は、たとえ収益を生まない空き家であっても毎年発生し続けます。子供世代が遠方に住んでいる場合、以下のような追加負担も生じます。

  • 現地訪問のための交通費・宿泊費
  • 専門業者への委託費用
  • 突発的な修繕費用(台風被害、水漏れなど)

こうした経済的な圧迫要因が、子供世代の家計を継続的に脅かすことになります。

 

精神的・物理的負担

遠方に住む子供たちにとって、実家の管理は時間と労力を要する大きな負担になります。

管理の手間 - 定期的な現地訪問(年に数回~月に1回以上) - 草刈り、清掃、建物の点検作業 - 近隣住民への挨拶や連絡対応 - 台風・水害時の緊急対応

空き家リスク - 景観悪化や治安の問題:周辺環境への悪影響 - 特定空き家の指定:自治体から指導・勧告を受けるリスク - 行政代執行:最悪の場合、強制解体とその費用請求

仕事や家庭の事情で頻繁に訪れることが難しい場合、管理が行き届かず、建物の劣化や周辺への迷惑を招く悪循環に陥ります。

 

売却の困難さ

負動産は、売りたくても売れないという問題を抱えています。

売却が困難な理由 - 築年数が古く、リフォーム費用が高額 - 立地が悪く、需要が見込めない地域 - 不動産市場での競争力の欠如 - 境界確定や権利関係の複雑さ

売却時の追加費用 - 測量費用(数十万円) - 境界確定費用 - 仲介手数料 - 解体費用(100万円~数百万円)

仮に売却できたとしても、これらの費用が売却価格を上回る可能性があり、結局は赤字になることも珍しくありません。

✓ ポイント:負動産は、金銭的な負担だけでなく、時間、労力、精神的ストレスという多面的な負担を子供世代に強いることになります。親世代が健在なうちに対策を講じることが、子供たちへの最大の配慮となるのです。

 

生前にできる「負動産」対策と解決策

負動産が子供の負担にならないようにするには、親世代が元気なうちに手を打つことが最も重要です。以下に、具体的な対策と解決策を紹介します。

家族会議と資産価値の把握

まずは、家族全員で不動産の現状と将来について話し合うことから始めましょう。

家族会議で確認すべき事項 - 実家をどうしたいか(親の希望) - 子供たちは相続を希望しているか - 相続後の維持管理は誰が担うのか - 売却や活用についての考え

率直に意見を交換することで、認識のズレを解消し、家族全員が納得できる方向性を見出すことができます。

同時に、不動産業者や専門家に相談し、現在の資産価値を把握することも欠かせません。

把握すべき情報 - 市場での売却価格(査定額) - 賃貸需要の有無と想定賃料 - 活用方法の選択肢と初期投資額 - 解体費用や測量費用の見積もり

これらの情報を得ることで、現実的な選択肢が見えてきます。

 

売却・活用・生前贈与の検討

不動産の状況と家族の意向を踏まえて、以下の選択肢を検討します。

「売却」を検討する
資産価値があるうちに売却し、現金化することで、子供たちへの分割がスムーズになります。

  • 公平な分配が可能になる
  • 相続税の納税資金として活用できる
  • 維持管理の負担から解放される
  • 「争続」のリスクを大幅に軽減できる

「活用」を検討する
賃貸物件として貸し出す、駐車場やコインパーキングとして運用するなど、収益を生む方法を模索することも一案です。

  • 家賃収入による収益化
  • 資産として次世代に引き継げる
  • 相続税評価額の圧縮効果(賃貸の場合)

ただし、以下のリスクも慎重に検証する必要があります。

  • 初期投資(リフォーム、整地など)
  • 継続的な管理の手間
  • 空室リスクや賃料下落のリスク
  • 入居者トラブルへの対応

「生前贈与」を検討する
相続時精算課税制度や暦年課税による贈与などの制度を活用し、計画的に贈与を進めることで、場合によっては相続発生時の納税資金の確保や税負担の平準化につながることがあります。ただし、相続時精算課税は相続時にまとめて精算される仕組みであり、また暦年贈与も死亡前7年以内の贈与が相続財産に持ち戻されるなど、必ずしも節税効果が出るとは限りません。必ず税理士等の専門家に試算してもらったうえで制度選択を行うことが重要です。

※参考:相続時精算課税の選択|国税庁、贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)|国税庁

 

専門家への相談

不動産相続は複雑で、自己判断でのミスが大きな損失につながることもあります。以下の専門家に相談し、最適な解決策を導き出すことが賢明です。

相談すべき専門家 - 税理士:相続税対策、特例の適用、節税方法の相談 - 司法書士:登記手続き、相続全般の法的アドバイス - 不動産会社・相続対策専門士:売却、活用方法、査定の相談 - 弁護士:遺産分割協議や相続トラブルが予想される場合

佐賀で不動産相続に関する問題を抱えている方は、地域の実情に精通した専門家のサポートを受けることで、より現実的で効果的な対策を講じることができます。

✓ ポイント:生前対策の鍵は、「早めに動くこと」と「専門家の力を借りること」です。家族で話し合い、正確な情報を得た上で、現実的な選択肢を選ぶことが、子供たちへの最良の贈り物となります。

 

まとめ:早めの対策で「争続」と「負動産」を防ぐ

まとめ:早めの対策で「争続」と「負動産」を防ぐ

不動産の相続は、大切な子供たちに財産を残すためのものですが、対策を怠るとかえって大きな負担やトラブルの原因になってしまいます。この記事で解説したように、問題点を正しく理解し、生前から家族で話し合い、専門家の力を借りて具体的な解決策を実行することが不可欠です。

佐賀で不動産に関する問題解決をサポートしている株式会社MREでは、不動産相続や空き家の有効活用、売却のご相談を多数承っております。「負動産」を「富動産」に変えるためにも、ぜひこの機会に不動産相続について真剣に考え、早めの行動を起こしていただきたいと思います。

親世代の思いやりと早めの対策が、子供世代の未来を守ることにつながるのです。

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